HIROMI Japan Tour 2017

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上原ひろみ×熊谷和徳 Tour 2017

Live

12/16(土) NHK 大阪ホール

開場17:00/開演18:00 チケット料金…S席7,100円、A席6,070円(各税込・全席指定)

チケット一般発売…9/2(土)

(問)キョードーインフォメーション 0570-200-888 (10:00~18:00) 

12/20(水) 東京 Bunkamuraオーチャードホール

開場18:00/開演19:00 チケット料金…S席7,100円、A席6,070円(各税込・全席指定)

チケット一般発売…8/26(土)

(問)ホットスタッフプロモーション 03-5720-9999(平日12:00~18:00)

12/21(木) 東京 Bunkamuraオーチャードホール

開場18:00/開演19:00 チケット料金…S席7,100円、A席6,070円(各税込・全席指定)

チケット一般発売…8/26(土)

(問)ホットスタッフプロモーション 03-5720-9999(平日12:00~18:00)

12/23(土・祝) 日本特殊陶業市民会館ビレッジホール 

開場17:00/開演18:00 チケット料金…7,100円(税込・全席指定)

チケット一般発売…9/9(土)

(問)サンデーフォークプロモーション 052-320-9100

12/26(火) 仙台電力ホール

開場18:00/開演19:00 チケット料金…7,100円(税込・全席指定)

チケット一般発売…9/16(土)

(問)G.I.P. 022-222-9999 

12/28(木) 倉敷市芸文館

開場18:00/開演19:00 チケット料金…7,100円(税込・全席指定)

チケット一般発売…9/2(土)

(問)夢番地岡山 086-231-3531(平日11:00~19:00)

企画制作:ヤマハミュージックエンタテインメントホールディングス

制作協力:KAZ TAP STUDIO

協力:ユニバーサルミュージック

Interview

これまで夏フェスなどで度々共演してきたふたり、今年はついに全国ツアーが決定。ふたりの馴れ初めやこれまでのパフォーマンスを振り返りながらツアーに向けた抱負を語ってもらいました。

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[出会いはNY。初共演は東京コレクション]

――12月の「=音よ舞え、魂よ踊れ= 上原ひろみ×熊谷和徳 TOUR 2017」が決まって、このタイミングで一度2人の出会いから今日までをふり返っていただこうということで、今日集まってもらいました。そもそも出会う前に、お互いの存在を知っていましたか。

上原ひろみ(以下・ひろみ):熊谷君のことは、イベンターさんをはじめ、たくさんの人から聞かされていました。「絶対に共演したほうがいいよ!」と。

熊谷和徳(以下・熊谷):僕も同じです。「絶対に会うべき!」だと。

――周囲の人たちは、なぜ共演を勧めたのでしょう。

ひろみ:たぶん、2人の熱量が近いからだと思っています。

熊谷:アグレッシブな人がほかにあまりいなかったからじゃないかな。攻めるスタイルのパフォーマンスをやる人が少なかったからだと思います。それと、海外でやっているという共通点もあったからではないでしょうか。

――出会いのきっかけは、デザイナーのミハラヤスヒロさんとうかがっています。

熊谷:2006年1月にミハラさんのミラノ・コレクションで、僕がパフォーマンスをしたんです。ミハラさんが僕の出演したテレビCMを観てくれていて。親しいスタイリストの紹介でした。

ひろみ:私は半年後、2006年6月のミラノ・コレクションのミハラのショーでピアノを弾きました。ミラノ・コレクションは1年に2回で、秋冬のコレクションに熊谷くん、春夏のコレクションに私がそれぞれ参加して。それで、東京コレクションでは、タップとピアノ、2人で参加することになったんです。

――東京コレクションが初対面?

ひろみ:その前にニューヨークで会いました。共演が決まったので、ぜひ一度パフォーマンスを観てみたいと。

熊谷:2人ともニューヨークに住んでいるので。

ひろみ:熊谷君が参加したタップ・フェスティバルを観に行った日のことは、私、絶対に忘れないと思う。「見つけた!」と確信したから。ニューヨークのタップフェスは、さまざまな国のパフォーマーが、さまざまなスタイルで踊ってるんです。その中でも、熊谷君が圧倒的でした。彼のタップには、大地を感じました。熊谷君のタップは、熊谷君だけのものなんです。「こんなにすごいタップを踊る日本人が存在したんだ!」と胸が熱くなって「一緒にやりたい!」と、決めたんです。私、もともとタップは大好きなんですよ。バークリー音楽大学在学時に、週に1コマ、タップのクラスを受講していたほど。バークリーが、ボストン・コンサバトリー大学という音楽とダンスの名門校と提携していて、単位として認めていたんです。

――えっ、踊っていた?

ひろみ:はい。

熊谷:僕、ひろみちゃんが踊るのを何度も見ているけれど、すごくうまいですよ

ひろみ:全然うまくないよ(笑)。でも、タップは大好き。ピアニストって、ピアノがないと演奏できないですよね? でも、タップはシューズさえあれば、どこでもパフォーマンスできる。そこに憧れがありました。熊谷君、パフォーマンスの後、私がバックヤードに挨拶に行ったこと、憶えてる?

熊谷:もちろん憶えてるよ。いろいろおいしいものを持ってきてくれたんだよね。

ひろみ:日本人って、楽屋に差し入れる習慣がありますよね。それをやってみようと思って。差し入れの中にリンゴもあって、それを手に取った熊谷君が「ニューヨークだから、リンゴなの?」って言ったのを覚えています。ビッグ・アップルの意味だと思うけど。

熊谷:そこまでは記憶にないなあ(笑)。その後、カフェに行ったでしょ?

ひろみ:うん。イースト・ヴィレッジの「カフェ・オーリン」ね。

熊谷:そこでさっそく「明日あいてる?」って言われた。

ひろみ:すぐに一緒にやってみたかったから。翌日、ニューヨークのヤマハのスタジオで初めて一緒にやって。熊谷君はやっぱりすごかったですね。

[タップダンスは楽器]

――東京コレクションのオープニングはすごく印象的でした。熊谷さんのタップの音が響き始めて。でも、なかなか姿を現さなくて。だからよけいに、音が強く記憶に残っています。

ひろみ:音がだんだん近づいてくる演出だったんだよね。

熊谷:うん。

――共演して、どんな感覚でしたか。

熊谷:ファッションショーというしばりの中でのパフォーマンスだったけれど、音に集中していました。ひろみちゃんのピアノのリズムは強烈なんです。ピアノって、弦楽器であり、打楽器でもあるわけですが、その打楽器的な側面で言うと、パーカッショニストよりも強いと思いました。こんな人、ほかにいないと感じました。どんどん進化していって。新鮮でした。音楽の深みを知った夜でしたね。

――その後、2007年に恵比寿のザ・ガーデンホール、2008年に東京、大阪、仙台の3都市ツアー、東京JAZZと共演を重ねていくわけですが、こんなに長い付き合いになるイメージはありましたか。

熊谷:ずっとやっていくと思った。自然に。不思議ですね。

ひろみ:私も続くと思った。「今後もきっと一緒にやるタイミングがあるだろうなあ」と。

熊谷:ひろみちゃんとのライヴは濃いんですよ。濃くて強い。タップは僕の生業でもあるわけですけれど、そういう次元を超えた濃くて強いものをやっている感覚があって。それが継続の源泉になっている気がしますね。ひろみちゃんとの共演は大切な場です。毎回、自分の課題も見つかる。だから、ひろみちゃんから呼ばれたらいつでも行きます。

ひろみ:私たち、日本以外でも何度か一緒にやっているんです。熊谷君がニューヨークのタイムズ・スクエアのトニックでやったショーに私が飛び入りしたり、スイスのベルンにあるマリアンズ・ジャズ・ルームで5日間の公演をやったり。

――楽器と楽器の共演ではなく、楽器とタップの共演という意味で、心がけていることはありますか。

熊谷:タップとジャズというのは、NYでは同じ文化から生まれたものなので、僕にとってひろみちゃんとの演奏はごく自然なことで、トラディショナルなことでもあると感じています。

ひろみ:よく異種混合みたいな言われ方をするけれど、やっている私たちはとても自然な感覚です。ニューヨークにいると、ジャムセッションにタップダンサーが参加するシーンはふつうにあります。それに、タップは、私にとっては楽器ですから。

[「プレイス・トゥ・ビー」を踊ると風景が見える]

――2人のショーで印象的だったのは2011年4月に行われた共演です。東日本大震災直後で、外国人ミュージシャンのキャンセルが続く中、ブルーノート東京に空白ができた4日間8公演、チャリティ・コンサートを行いました。あの時はひろみさんが声をかけた?

ひろみ:はい。ちょっと迷いはしたんです。というのも、熊谷君は被災地の仙台出身で。だから、こんな大変な時に声をかけていいものかどうか……。

熊谷:電話をもらったんだよね。

ひろみ:うん。その電話で話しているさなかも大きな余震があった。それでも「やろう!」と言ってくれた。

――あの時は、ジョージ・ガーシュウインの「ラプソディ・イン・ブルー」やひろみさんの「プレイス・トゥ・ビー」をやりました。

ひろみ:スティーヴィー・ワンダーやレッド・ホット・チリ・ペッパーズの曲もやりました。

熊谷:震災直後で、まだまだ自分の中でも混沌とした状況ではありましたが、会場の空気感全てが特別なショーでしたね。

ひろみ:ライヴって、演者だけで作るものではなくて、客席にいる人たちの感受性やコンディション、全部が重なって起きる奇跡だと思います。私たちは毎回必死に、自分たちにできるすべてを出し切るけれど、それでもいつも最大限の達成感を体験できるわけではないんです。熊谷君、私、オーディエンスの皆さん、会場で働くスタッフ……。みんなの力が同じ方向に向かっていって最高の時間になる。

――熊谷さんは、踊っているときにどんなことを頭の中に思い描いているのでしょう。

熊谷:景色とか、ストーリーとかいろいろですね。はっきりとした物語というよりも感情の流れのようなもの。ひろみちゃんとのツアーで特に覚えているのは、仙台公演の時に祖父がこの世を去って。あのステージでは、ヨハン・パッヘルベルの「カノン」のパフォーマンスは何か感慨深い気持ちになりました。それから、「プレイス・トゥ・ビー」はいつも景色が見えます。おそらく、ひろみちゃん自身が大切にしている曲だと思いますけれど、毎回演奏が違って、僕が見る景色やストーリーも違います。でも、僕としては、できるだけひろみちゃんの思いに共鳴したいと感じて踊ってます。

ひろみ:2人のステージのセットリストで、私の曲に関しては熊谷君が選んでくれることが多いんです。そういう曲では、私がソロや自分のトリオでやるときとは違うアプローチを見せてくれます。作曲家冥利に尽きるというか、とても幸せなことですね。自分の曲だけど、自分がまだ気づいていないポテンシャルを感じることができます。「プレイス・トゥ・ビー」の熊谷君には毎回新しい何かを気づかせてもらっています。楽しいですね。

――この曲は2011年のブルーノート東京でもSUMMER SONIC 2016でもやっていますね。サマソニは当初、ひろみさんはトリオで参加予定だった。ところが、メンバーが体調を崩して、急きょ熊谷さんとのデュオに変更になりました。

熊谷:LINEで連絡をもらいました。「8月20日あいてる?」と。

――熊谷さんはニューヨークで?

熊谷:帰国中でした。でも、ちょうど取材を受けている時で、すぐにレスポンスできなかったんです。そうしたら、ひろみちゃん、うちの奥さんに連絡して、そちらから「ひろみちゃんが急ぎで返事がほしい」と言っていると(笑)。

――その時点で、ひろみさん、熊谷さんの公演スケジュールはおそらくチェック済ですよね?

ひろみ:ええ、まあ……。おっ、日本にいるな、と。

熊谷:でも、ライヴはなくてもほかにもいろいろ、調整しなくてはいけない案件はあるわけです。

ひろみ:あの時は緊急事態でしたから。

熊谷:僕、ひろみちゃんからLINEがくると、ドキドキするんですよ。来た! と。何か起きたな、と。余裕のある時は、マネージャーさんから、正規のルートで連絡がありますから。

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[限界点を超えた最終形態のパフォーマンスを見せる]

――2016年のサマソニは、東京と大阪の2会場で共演した。

ひろみ:ロックとポップス中心の夏フェスの会場で、タップとピアノは異色でした。客席は、タップとピアノ? なにそれ? という雰囲気でした。

熊谷:でも、アウェイ感はなかったよ。1曲目から客席に期待感があったと思う。いい雰囲気のときと、そうじゃないときははっきりわかるけれど、明らかにいい感じでした。上原ひろみが何かやるぞ、という期待に思えた。

ひろみ:そうかな?

熊谷:認知度の高さを感じました。東京はトリで、時間帯もよかったし。

ひろみ:そっか。今、話していて気づいたけれど、私、自分のコンサートでも、基本的にアウェイに感じて演奏してる。

熊谷:そうなの!?

ひろみ:うん。日本のツアーで「皆さん、帰ってきたよ。お待たせしました!」って思ったことないかも。だって、初めて観に来てくれている人もいるし。

熊谷:それはわかるけど。

ひろみ:初めての人に対しては「私がやっていることを伝えなくちゃ」と思う。リピーターのオーディエンスに対しては「今までのショーを超えたものを見せなければ」と思う。だから、客席全員が私にとってはハードル。被害妄想ではないけれど……。

熊谷:毎回毎回勝負だね(笑)。

ひろみ:もちろん客席が盛り上がっているのはわかる。ステージに出ていくと、ワーッと拍手してもらって、うれしいよ。でも、ピアノの前に座った時にはそれまでのことはすべてリセットして、ゼロからのスタートです。この夜でお客さんを全員失う可能性もある、と思って演奏を始める。

熊谷:海外で様々な状況でやっているだろうから、そういう厳しい気持ちになるんじゃないかな。アウェイでやっている時の感覚で常にやるほうが間違いないし、そのほうが強いよね。

――12月ツアーも、リセットして、アウェイの気持ちで臨む。

ひろみ:はい。倉敷のように二人では初めて呼んでいただく街もありますし。

――セットリストをはじめ、内容はこれから決める段階ですか。

ひろみ:今、話し合っています。初めて2人で披露する曲、過去にもやった曲、取り混ぜて選ぼうと思っています。この2人だからこその世界観をお見せしたい。

熊谷:ライヴでは予定外のハプニングも起こるし。サマソニの大阪のときのような。

――何か起きましたか?

ひろみ:大阪の出番は昼間で、ステージ上は43度でした。スタッフがホースで水を撒くほどの灼熱で。

熊谷:その環境で、ひろみちゃんに予定になかったソロを振られて。これ、言っていいのかな……。いいですよね? 僕も一度吐き出しておきたいし(笑)。

――吐き出しましょう。

熊谷:はい。僕が1度袖に引っ込む時間があって、ひろみちゃんに「曲が始まったらステージに戻ってきて」とだけ言われていて。

ひろみ:「サマーレイン」のときでした。

熊谷:「サマーレイン」の導入部でステージに出ていったら、叫ぶんですよ、ひろみちゃんが「ソロ! ソロ!」って。あれっ、ここはソロだったっけ、と、予定外の流れに頭の中が混乱したまま、「やります!」という気持ちで踊り続けました。

――43度の中で?

熊谷:43度の中で3分くらい。ひろみちゃん、なんで僕、あそこでソロを踊らなくちゃいけなかったの?

ひろみ:サマソニのお客さんって、20代が多くて、大阪会場は東京会場よりもさらに若かったんです。つまり、私たちのような音楽に今までは縁がない気がした。そんな彼らにかつて体験したことがないびっくりするようなパフォーマンスを見せてあげたかった。

ひろみ:熊谷くんが自分でどこまで理解しているかわからないけれど、熊谷君は限界を迎えたその先がすごいんです。もう、誰にも止められない。K点を超えた熊谷君は、それ以前とは別人。無敵です。その姿を客席に見せたかった。

熊谷:……。

ひろみ:東京会場でも、最後、すごかったよ。

――サマソニの東京のアンコールは、ハナレグミと共演したんですよね。

ひろみ:「深呼吸」をやりました。曲が終わっても、熊谷君はずっとタップを踏んでいた。

熊谷:あのときは「終わりたくない」という気持ちが強くて。

ひろみ:ああいう時、熊谷君、何を考えているの?

熊谷:何も。頭の中は真っ白。

ひろみ:私、熊谷君がどこかと交信しているんじゃないかと思って見ているんだ。

熊谷:そういうところもあるかもしれない。

ひろみ:気がついているのかな? サマソニの東京だけじゃなくて、いつも、熊谷君、ライヴが終わっても踏み続けてるよ。10年一緒にライヴしてきて、熊谷君の最終形態、やる度にすごくなっているから。熊谷君、タップ、命がけでしょ?

熊谷:うん。毎回。

ひろみ:今回も。

熊谷:そうね。

ひろみ:この対談で、私、ハードル上げちゃった?

熊谷:ひろみちゃんとのライブでは特に、自分のベスト以上のものを出さなければと思っているよ!僕にとっては毎回毎回が一期一会の、何か特別なものを感じているからね。

ひろみ:お客さんには、無敵の熊谷君を楽しみにしていていただきたいです。

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